JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

『土と健康』2009年8・9月合併号(一部紹介)

画・田島征三

今月の表紙
発作・田島征三
撮影・酒井 敦

 表紙のことば

第4回妻有トリエンナーレが始まった。
ぼくの出品作品「学校はカラッポにならない」
というタイトルの空間絵本だ。
5年前に廃校になった鉢集落の真田小学校が、
「絵本と木の実の美術館」として甦った。
美術館は、卒業生、集落の人に支えられ、
いつも賑わっている。
ぼくの人生最大の作品が完成した。
廃校になった時、のこっていた3人の在校生、
だいすきだった先生、うみさき先生(うさぎの化身)、
2匹のオバケ(トペラトトとドラドラバン)も登場する大スペクタクル空間絵本だ

田島征三
ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


 今月の記事から

● 2010年、生物多様性条約・カルタヘナ議定書締約国会議に向けて
 食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク結成   ・・・・ 天笠 啓祐

生物多様性条約とカルタヘナ議定書
 1992年、環境と開発に関する国連会議がリオ・デ・ジャネイロで開催された。このとき、二つの条約が署名・採択された。1つが地球温暖化防止を目的にした気候変動枠組条約、そしてもう1つが自然を守り生態系を保護することを目的にした生物多様性条約である。後者が主な対象にしたのが、熱帯雨林保護だった。
 リオ・サミットで締結された2つの条約を具体化し、成果のあるものとするために、それぞれ京都議定書(1997年)とカルタヘナ議定書(2000年)が締結された。前者は、二酸化炭素の排出抑制に数値目標を設定したものであり、後者は、遺伝子組み換え生物の国境間の移動に歯止めをかけたものだった。この生物多様性条約締約国会議 (Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity) とカルタヘナ議定書締約国会議 (Meeting of the Parties to the Cartagena Protocol on Biosafety) が2年に1度開催され、条約や議定書の中身を実効性のあるものにしてきた。
GM作物のない世界をめざし、2010年名古屋に向けて市民ネットできる
 2010年に「生物多様性条約締約国会議(COP10)・カルタヘナ議定書締約国会議(MOP5)が名古屋で開かれる。日本政府の立場は、生物多様性を守るとはとてもいえないものである。それに対して、私たち市民の声を名古屋会議に反映させていく事が大切である。生物多様性条約・カルタヘナ議定書の本来の精神に基づき、GM作物・生物の寄生が世界規模で実現するよう、取り組んでいくことが、私たちの課題となっている。

● とれたて青年部 18 通いの研修生を受け入れ中   ・・・・ 深谷 峰子

 いま朝5時に研修生の彼らはやってきます。
 お茶を飲みながら、その日の出荷と一日の作業予定を話し、みんなとワイワイやりながら野良仕事をして、瞬く間に時間は夕方になってしまいます。
 両親と私の3人で有機農業をしているわが家では、通いの研修生を受け入れ中です。興味のある方は、ご連絡ください。
 深谷農場・深谷文夫 рO48−536−7946 メールアドレス<hukayafarm☆ybb.ne.jp> (☆を@に置き換えてください)

● 遺伝子組換えナタネの自生 農業と生物多様性への脅威   ・・・・ 河田 昌東

はじめに
2004年に農水省が茨城県鹿島港周辺で遺伝子組換えナタネの自生を発表して以来、遺伝子組換え食品を考える中部の会は三重県四日市港と名古屋港を中心に、毎年その動向を調査してきた。2009年6月までに計26回の調査や抜き取り活動が行われた。
GMナタネの自生の原因
日本は年間約200万トンを輸入する世界最大のナタネ輸入国である。その80%以上はカナダからだが、カナダ産ナタネの90%は遺伝子組換え(除草剤耐性)である。国内のナタネ輸入港における自生の様子は各港によって大きく異なる。理由は、荷揚げから製油工場までの輸送途中に、種子がトラックからこぼれ落ちるためで、輸送距離が長いほど種子の拡散が大きいからである。なかでも三重県四日市港の自生は特に多く、環境と農業への影響が懸念される。

● 佐藤喜作のキサクな話 『肉声と電声』   ・・・・ 佐藤 喜作

そもそも日本人は話下手に思えてならない。第一に、対する相手により話題を取り出す力が弱い、あるいは乏しい。デンマーク農民のナボ(仲間)夫婦が、土曜の夜は4〜5組でコーヒーを飲みながら一晩中語り合う姿を思い出す。

● 緩すぎる! 遺伝子組み換え作物の「生物多様性についての影響」の評価基準   ・・・・ 久保田 裕子

日本の場合、遺伝子組換え生物が環境・生物多様性に影響を及ぼしているかどうかを評価する基準は、「生物多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」の国内担保法である「遺伝子組換え生物等の使用等の寄生による生物の多様性の確保に関する法律」に基づき、「遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領」で定められている。
この評価基準の下では、周辺にある野生生物の近隣種に遺伝子組換え品種からの花粉が飛散して、交雑が認められた時点では、まだ「影響はない」という評価にしかならない。さらに交雑と親友が進んで、二世代目、三世代目になって広がって、在来の近縁種を駆逐して凌駕し、”優占種”になった段階ではじめて、「影響がある」とされるという事である。予防原則の考え方も採られていないので、例えば担当の環境省も、農林水産省も、「調査を続け、ようすをみる」ことしかできないのである。

● 熱き心くん   ・・・・ 清水 照恵

農業は人間の原点
 私が「農」の世界に導かれたのは、一年半インドを始め数か国の旅から帰国してからのこと。どこに行っても物があふれ、捨てられ…それを当たり前と思ってしまう生活に嫌気がさし、「自然と共存したシンプルな生活がしたい」と思うようになった。
 そして「自給自足生活」をイメージし、各地農場で話を聞いたり作業するうちに、「農業は人間の原点なのでは?」と考え始め、またちょうどその頃、それまであまり気にも止めなかった環境の深刻化や我々の生活が途上国の労働力・作物・資源などを搾取して成り立っていることを知り、たどり着いたのが「農」の世界だった。

● 不耕起栽培実験と生け垣づくりからみえてくるもの   ・・・・ 涌井 義郎

耕す場合の問題点を指摘した『生きている土壌』
すばらしい本が世に出されました。エアハルト・ヘニッヒ著『生きている土壌−腐植と熟土の生成と働き』です。この本では腐植のことやミミズの役割について詳細に解説されています。
1.不耕起栽培、部分耕栽培の実験から学ぶ
2.生け垣を畑の中に作ります、リビングマルチの応用

● 「グリーンケア農業」とは何か − 農場の保有する生命資源を健康・福祉に活かす   ・・・・ 佐々木 市夫

「グリーンケア農業」とは
「グリーンケア農業」とは、農家、農業生産法人、非営利型企業あるいは営利型企業の組織が、農場の自然・農業資源を活用して非自発的な不利益に悩む人々に対して精神的・身体的な福祉増進を提供するビジネス活動である。
農場を訪れた人も、農業者も、成長を実感
グリーンケア農業の持つ意義について私は、単に農場の生命資源の治癒力や福祉力にばかりもとめるのではなく、グリーンケア農業を実践する農業者その人も変化し成長を遂げる点を最後に強調したい。生産による物的成果だけでなく、他者の成長に役立つような関係をどの程度作り出すことができたかの評価指標が農業者にあっていい。それも農業者の人生に意味を与える鏡だと思うからである。

● 映画紹介 「こつなぎ−山と人を巡る百年の物語」   ・・・・ 河野 直践

● ひろば 農協に明日はあるか   ・・・・ 松ア 千尋

● BOOK 『食の安全 政治が繰るアメリカの食卓』マリオン・ネッスル   ・・・・ 久保田 裕子

 食の安全を巡る対立と問題>> 詳しく

● 「全国健康むら21ネット 第4回全国大会in大阪」の報告
4月25、26日 於・大阪勤労者会館
「健康」をキーワードに「日本再生」へ   ・・・・ 大杉 幸毅

甲田思想の継承と発展
第1部のテーマは、「甲田思想の継承と発展−少食は地球を救う−」として、まず甲田思想とは何であったのか、それを再認識して共有し、運動としてあるいは個々の実践としてどのように発展させていくのかを探っていくことであった。
基調講演は、顧問の安保徹氏(新潟大学大学院教授)に「少食(生菜食)・断食がどうして体に良いのか、なぜ病気を治す効果があるのか」を最新の免疫学の立場から解説していただいた。
次に、同じく顧問の羽間鋭雄氏(元大阪市立大学教授)から、自ら生菜食を実践されて自分自身の科学的データをとり、研究されてきた成果を基に、「生菜食がいかにアンチエイジングに有効であるか」を発表していただいた。

第2部は「日本再生−いのちと環境を守る健康づくり・人づくり・地域づくり−」のテーマで、基調講演は、非行をゼロにした長野県上田市の元教育長大塚貢氏と舞鶴市の限界集落で若い農業後継者を募集して過疎地の農業を守ろうと奮闘している「愛農会」のグループのリーダーの農業青年の取り組みの発表であった。

● 達人に聞く 「旬の有機農産物」加工のすすめ19
    バジルペースト・きゅうりの古漬け   ・・・・ 折原 美香

バジルペースト
いつもお世話になっている、近くの有機農家のおばさん、米子(よねこ)さんにお伺いしました。
きゅうりの古漬け
これは、わが家の夏の定番!です。


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