JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

『土と健康』2009年6月合併号(一部紹介)

画・田島征三

今月の表紙
発作・田島征三
撮影・酒井 敦

 表紙のことば

この夏(7月26日〜9月13日)
新潟県十日町と津南町で開かれる
妻有トリエンナーレ「絵本と木の実の美術館」に
ぶら下がる100本の流木オブジェを
森の中にぶら下げてみた。
流木たちは、どこの森から流れ着いたか分からないが
懐かしさをいっぱい表現して、森に馴染んでいた。

田島征三
ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


 今月の記事から

● 有機農業への力強い励まし
『生きている土壌 腐植と熟土の生成と働き』によせて   ・・・・ 佐藤 喜作・魚住 道郎

生きる土台にある「土」の危機
 生きる土台にあるのは土である。それがここ数十年の近代化農業の果てに壊され、死滅しようとしている。土壌の消耗は保肥力・保水力を失い、化学肥料由来の肥料分の流亡が激しい。これを救える物は、有機農業しかない。
生命循環の鍵となる腐植
有機農業の核心は堆肥であり、腐植である。著者エアハルト・ヘニッヒ氏は、そうした農業の根本問題である土壌を取り上げ、土壌学・土壌微生物学などの幅広い知見を踏まえて多方面から解析した。

● 2009年3月1日 青年部主催 有機農業入門講座2009 報告
有機農業を始めました! 88人の実践 出版を記念して   ・・・・ 関塚 学

パネリスト
阪本美苗さん 山形県 さかもと自然農園 1995年就農
山木幸介さん 千葉県 三つ豆ファーム 2005年就農
鈴木茂孝さん 静岡県 伊豆松崎とんび農園 1998年就農
司会
佐久間清和さん 千葉県 さくま草生農園 1997年就農


【人生のモットーは?】
鈴木 何でも好奇心を持って、一所懸命やるということ。
山木 生命力とバランスという言葉を大切にしています。
阪本 食は命ということ。土と生きることは人間として根源的な当たり前のことなんだなと、思います。
【新規就農者へのメッセージ】
鈴木 もしだめだったら違うことをやってもいいやぐらいの思いでもいいので、とりあえずやってみるということが必要ではないかと思います。
山木 とりあえずやってみることが大切。自分に合うかどうかも含めてやってみないと分からないでしょう。そして、やると決まったら覚悟を決めること。
阪本 地域への心くばりが必要。都会よりももっと密な人間関係のところへ行くと思っていないと失敗すると思います。

○出版記念懇談会
「有機農業をはじめました! 88人の実践」に掲載されている方による懇談会も行われ、栃木県から武藤俊郎さん、小林裕次さん、小野寺徹さん、長野県から河辺さんご家族、はるばる岡山県から脇田忍さん、そして埼玉県の谷川拓也さんに参加していただきました。

● とれたて青年部 16 国産品   ・・・・ 池田 晶一

去年に引き続き、綿を植えます。
今年は、藍の生葉染めをやろう!という話になり、量をある程度確保しなければならなくなりました。

● 放射線照射食品、何が問題か   ・・・・ 河田 昌東

1.食品照射の目的
2.放射線照射でおこること
3.放射線照射で生ずる新たな物質
4.ビタミン類の破壊
5.アメリカの動向
6.日本の動き
7.食品照射は、生産者にとっても消費者にとっても不必要で危険な手段である

● ブラジル・トメアス入植80周年
ガランチード(日系1世)たちの森林農業   ・・・・ 山根 瑞世

1年ほど前、ブラジルのアマゾン河口から約200キロ(バスで5時間)南下したトメアス日系移住地に、約2週間滞在した。事前の知識はほとんどなかった。けれど滞在日数が増えるにつれ、「これはすごい農業の現場にきてしまったのかもしれない」と思うようになった。というのもここの日系人たちが、熱帯果樹やコショウなど多種類の作物や用材となる樹木をひとつの農地に混植し、立派に経営を成り立たせていたからだ。
伝説の人、坂口陞(のぼる)さん
坂口さんは、1970年にトメアス総合農協(CAMTA)の農事部担当理事になった。ちょうどコショウの病害が広がり始めた時期で、<コショウの代替作物の選択>という難題を一任された。あまりの責任の重さに悶々としていたある日、坂口さんはおもいあまってハンモックを片手に小舟に乗り込んで旅に出る。原住民の生活と農業を見るためである。
そこで目にしたのは、先祖伝来の土地に誰がいつ植えたというのでもなく雑然と多種類の樹木が植わり、元気に育っている姿だった。それでいてよく見るとちゃんと生態学的に理にかなう構成になっている。坂口さんはハッとした。このときの見聞が熱帯作物についての考え方の基礎となり、のちにアグロフォレストリー(森林農業:System of agroforestry)を生むヒントとなるのである。

● 第37回 日本有機農業研究会全国大会 分科会報告

○第2分科会 地域ぐるみの有機農業   ・・・・ 大沼 俊明
 第2分科会は「地域ぐるみの有機農業」をテーマに、石塚美津夫さん、斉藤文子さん、岩淵成紀さんの報告を聞いた後、意見交換を行いました。参加者は50名を超え会場はほぼ満席で、報告者との質疑、自らの実践体験に基づく意見・提案など活発な討議で時間が足りない状況でした。

○第3分科会 『提携』活動と食育教育   ・・・・ 若島 礼子
 報告者の話の概要は以下の通り。
 ・平出糸子さん:「命、食にあり」と50数年、有害な化学物質の追放運動に取り組んできた。
 ・佐々木功さん:佐渡市で無農薬・無化学肥料で米作りをしている生産者と援農を通して交流している。
 ・魚住道郎さん:学生時代に出会った水俣の人たちとの関わりが原動力になり、以来40年有機農業を続けている。

○第4分科会 地球・温暖化・遺伝子組み換えと有機農業   ・・・・ 舘野 廣幸
 地球温暖化と遺伝子組み換えは一見別の問題のように思われますが、実はこの二つは非常に密接な関係にあります。なぜなら、地球規模で進む温暖化に対処する有効な農業技術を持たない慣行農業は、遺伝子組み換えという生命改変の手段に頼ろうとする方向に研究を進めているからです。

○第5分科会 世界恐慌と有機農業運動   ・・・・ 山田 勝己
 第5分科会は、経済不況が世界恐慌にまで発展するとの危惧を抱いた中屋敷幹事が状況報告と日本有機農業研究会のとるべき方向性を提案した。それを受けて、会場との活発な意見交換も行われた。

● 各地から 中国『食と農・広島県協議会』発足!   ・・・・ 那波 邦彦

「食」と「農」に関わる取り組みを通して、環境を保全し、生命(いのち)を守り育むことを共通の目標として、『食と農・広島県協議会』が4月22日に発足しました。

● 種から育てよう 68 大豆 八郷在来   ・・・・ 魚住 道郎

地元の青豆を作り続けて20年
大豆は土地を選ぶと言われている。在来種は食味・耐病性・耐虫性などすぐれた形質が残り、古来より受け継がれて今に至る。先人たちの努力に感謝。

● 佐藤喜作のキサクな話 『火』   ・・・・ 佐藤 喜作

5月半ばというのに北海道から雪の便り。驚くことはない。かつて6月中旬に、わが地にも降ったのを覚えている。

● 国内外で野菜栽培指導歴40年の矢澤佐太郎さん直伝
新規農業者に伝えたい 農の技   ・・・・ 矢澤 佐太郎

就農年数が短いことなどから、経験を積んだ農家の伝統農耕技術や近代農学の知見が十分に生かされていない場合があるようです。生業としての有機農業卯を考えるとき、安全で周囲の生態系と調和した農耕技術として生産の安定性、収量性、品質を高め、収穫時期をずらすことなどにより経済的生産技術としての改良が望まれます。
日本や外国も含めて有機農業に取り込みやすい農耕技術、考え方を野菜について思いつくままに掲げていくので参考になれば幸いです。
1.覆下(おおいした)栽培、2.日向(ひなた)つくり、3.練り床またはソイルブロック、4.夜冷育苗、5.稚苗と大苗の使い分け、6.防風囲い、7.太陽熱による病害と雑草の低減、8.ニンジン、レタス、リーキの混植、9.雑駁な種子もひとつの特性、10.水田後作のイチゴ、11.デバーナリゼーション利用で春先のダイコン作り、12.緑肥のいろいろ、13.神が宿る畑

● 熱き心くん   ・・・・ 平山 俊臣・優子

農を暮らしに取り入れるために、夫が一年間農業研修をうけました。4月に研修を終え、現在、千葉県市原市にて5畝の畑、7畝の田んぼ、竹ティピーの納屋作りに奮闘しております。

● コラム 土と健康・血と病気   ・・・・ 田村 豊幸

多くの作物が土壌次第なのとまったく同じように、病気は血液の性質次第で起こったり自然に治ったりするところをみると、いまさらのように医食同源・農医同源なことを思わせる。
農学と医学は協会をなくして話し合ったら、新しい発見が続々現れて、ノーベル用も日本の有機医農学者の中からもらえるようになると思う。


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