JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

『土と健康』2007年11月号(一部紹介)

画・田島征三

今月の表紙
発作・田島征三
撮影・酒井 敦

 表紙のことば

 先月号で「なにやわからん」
 存在しないモノになるのが自然だと書きましたが、
 「なにやらわからん」モノを創るのは
 かなりむずかしいことです。
 でも、なんとも知れないファイトが
 沸いてきています。
 そのうち、彼らが並ぶ展覧会をやりたい。

田島征三
ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


 今月の記事から

● 私の発言 農業を次世代に引き継ぐために 有機農業専門学校のプランにご意見を   ・・・・ 涌井 義郎

 筆者が勤めている鯉淵学園農業栄養専門学校は、農政上の法律にもとづいて運営されている「農業者育成」目的の私立実践教育三校のうちの一校です。同じ法律の下で国と道府県立「農業大学校」が全国に45校ありますが、そのほとんどが入学者確保に難渋し、定員割れの厳しい状況にあります。それはなぜなのか。
 18歳人口の急激な減少が最大の要因ですが、そのことだけが原因ではありません。当学園では、学生募集のために教員が手分けして全国の高校数百校を訪問しています。その際、ほとんどの高校の進路指導の先生から「農業志向の生徒はいません」の言葉を聞かされます。この言葉は何にも増して悲しく、切ない思いがします。
 今後、「有機農業コース」の開設を目標に、有機栽培農地の拡大と多様な実験の充実、有機畜産の試行など、有機農業専門教育のモデルを作っていきたいと学内論議を始めましたが、答えを出すのは容易ではありません。入学需要がどのくらいあるかが読み切れないのです。入学希望が少なければやはり学校は行き詰まります。
 農と食の担い手育成に全力投球してきた私たち実践型農業教育へのご支援をお願いしたい。入学生を紹介いただきたい。有機農業教育の試みと学校を存続させるための、多様なご意見をお寄せいただくことを切望します。
 yo-wakui◇mail.koibuchi.ac.jp (◇を@に変えて送信してください。)

● 青年部主催 2007年夏の有機農業見学会in神奈川県 新たな発見と感動の見学会   ・・・・ 土屋 康二

 見学会初日の8月11日は快晴。午前中から気温は上昇し続け、セミたちが人の声をかき消すほどの大合唱を奏でる中、スタッフを含む約40名の見学会参加者が集まり、マイクロバスと乗用車を連ねて最初の見学地・藤沢市の「相原農場」へ向けて出発しました。

● 参加者の感想

○ 9月から旧三芳村で有機農業の研修   ・・・・ 石田 克己、麻理子
 この9月から克己は南房総市の三芳村で有機農業の研修をさせていただくことになりました。私たちは、これから新規就農をめざして一歩踏み出したばかりです。長期有機農業をされてきた方々から、「大変だからやめときな!」と言われる事がよくありました。本当に大変な苦労をされてこられたから、そう言ってくださるのだろうなと思います。正直、本当にやって行けるのかなぁ…と不安になることもあります。しかし、今回出会った方々の、大変な中でも農業を楽しんでおられる生き生きとした笑顔と、試行錯誤しながらも新しいことに挑戦している姿に、勇気をいただき励まされました。これからもよろしくお願いします。

○ 農業経営の基本は家族であると実感   ・・・・ 森 ひとみ
 今回見学した3つの農園は、それぞれご本人とそのご家族が協力し合っておられました。農業というのは家族経営が基本と、改めて思ったのと同時に、歴史を振り返れば、ずっとずっとそうやって家族という最も小さくて基本の集団で、土の上で生きてきたんだと思いました。農薬や化学肥料を使わない農業は、一言では言えない大変なことや、苦しいことも辛いこともあると思います。どんな逆境にあっても、家族の支え、仲間の協力があって、収穫を迎える日には気持ちも豊かになり、それが、継続と成長の原動力になるのではないでしょうか。
 私は農業に関わって7年目ですが、年数を重ねただけで自立はしていません。自分の将来に不安や迷いもありますが、このように同じ農業をされている方と交流することで、また前進できそうです。

○ 有機農業の果たす役割とその意義に惹かれて   ・・・・ 藤本 充朗
 いずれの見学先でも、創意工夫で困難を乗り越え、豊かな実りを享受し、有機農業に労働の本来の喜びと誇り、そして意義を感じておられることを短時間の見学でも感じることができました。有機農業が、実践されている方々の誠実な取り組みが、正当に評価され正しい対価を得、さらに普及し、食・環境・地方経済や社会の安定化に寄与することを願って止みません。私は現在会社員ですが、有機農業の果たす役割とその意義に惹かれ、近い将来、会員の皆様と共に日本の有機農業の一翼を担うことを夢にしています。関係者の皆様、本当にありがとうございました。

● 佐藤喜作のキサクな話 主食(主役)とお菜(脇役)   ・・・・ 佐藤 喜作

 本会理事長の佐藤喜作がキサクなお話しを。

● とれたて青年部7 私が見た青年部   ・・・・ 増田 裕子

 農業をしている人、いつか農業をしたいと思っている人、どちらでもない人たちが集まって、有機野菜や有機米を食べながら農業の話をしていると、日本の農村に若者の姿がないとか、農業の衰退とか、そういう現実が嘘のように思えてきます。農業の苦労話も、なぜか笑い話。笑うのも失礼かな…とふと思うけど、話がおもしろくてついつい笑ってしまいます。そんな青年部の主催で、12月15日(土)に國學院大學の教室をお借りして、「水になった村」(監督:大西暢夫)の上映会を行います。是非ご参加ください。

● 有機農業推進に向けた各地の動き

○ 茨城県 有機農業推進フォーラム(交流する場)が発足 地域に住む一人ひとりのできることから
 6月16日、つくば市にて「有機農業推進法講演会」が開催されました。超党派で有機農業議員連盟を結成し、この立法を提案された参議院議員ツルネン・マルテイさんをお呼びして有機農業の推進普及に寄せる期待のお話を聞きました。この講演会への参加者を中心に、従来の縦割りで個々バラバラの状況を越えて、地域の多様な人々が交流と意見交換をし、有機農業を推進し地域に広める場として「茨城県有機農業推進フォーラム」が結成されました。

○ 茨城県有機農業推進フォーラム設立に寄せて   ・・・・ ツルネン・マルテイ
 これまで有機農業関係者が、自然の人間社会に対する有機農業の意味と将来を信じてあらゆる困難に耐え、公の支援も受けることなく数十年頑張ってきたことに私は心から敬意を表している。だからこそ今後、有機農業を日本でさらに普及させるために、国から出来る限りの支援や後押しが不可欠であると確信して、利害を超えた超党派で有機農業推進議員連盟を立ち上げ、2年をかけて議論し、法律案をつくり国会に提出し全会一致で成立となった。「意志のあるところに道がある」。このことを慣行農法から有機農業に転換するのをためらっている生産者に伝えたい。私自身もこれからも前向きな姿勢で自分に与えられた使命の実行に仲間の議員と、そして有機農業の発展を信じている国民といっしょになって取り組みたいと思っている。

○ 千葉県 有機農業推進計画に関わる要望書   ・・・・ 山田 勝巳
 千葉では、「有機ネットちば」(正式名 千葉県有機農業推進連絡会)が6月に堂本暁子知事宛に要望書を提出した。それにより有機農業現場の視察やアンケートなどが行われている。

○ 農林水産省 全国有機農業推進委員会の発足について   ・・・・ 今井 優子
 2007年10月25日に、農林水産省で第一回「全国有機農業推進委員会」が開催されました。この委員会は、有機農業推進法及び有機農業推進基本法方針に基づき、有機農業者をはじめ、農業者その他の関係者及び消費者の理解と協力を得つつ有機農業を推進するために設置された委員会です。本会からは、本会の有機農業推進委員会の委員長を務める魚住道朗理事が出席しました。

● [農場だより] 井上農林園   ・・・・ 井上 淳孝

 東京の羽村といえば、江戸初期に玉川兄弟によって四谷大木戸まで約43キロを掘った。玉川上水の取水堰で知られている。その取水堰から桜堤沿いに7ヘクタールのまとまった水田地帯、通称“根がらみ水田”があり、桜の季節を過ぎると25万球の観光用チューリップが咲き、また水田に植栽された大賀ハウスによる早朝の観蓮会も開かれる。その一角の約40アールが私達の田んぼ兼畑である。

● 熱き心くん   ・・・・ 武藤 俊郎

 私が有機農業をやりたいと思うようになったのは、今から6年以上も前。なかなか踏ん切りがつかず、悶々とした日々を過ごしてきた。有機農業に人生を賭けるぞ、と固く決心したはずなのに、翌朝になると急に不安に襲われたり…。辞表も、何回書いたことか。しかし出す直前になって、オレとんでもないことをしようとしているんじゃないだろうか、と思い直し、先延ばししてしまったり…。そんなことの繰り返しだった。今年の一月、ようやくサラリーマンを辞めることができた。やはり一度しかない人生、自分が一番やりたいことに情熱を注ぎ、悔いのない生き方をしたい。そういう想いが次第に強くなり、決心に至ったのだった。現在は、茨城県石岡市(旧八郷町)の「スワラジセミナーハウス」という所で、部屋と畑と田んぼを借り、日々農作業に汗を流している。

● 種から育てよう57ブルーベリー「ブルーレイ」と「バークレイ」(埼玉)   ・・・・ 池田 葉子

 埼玉県所沢市から。ブルーベリーは、生食はもちろんジャムやソースなど各種の加工にとても適しています。春には白やピンクの花が咲き、初夏から盛夏にはブルーの実をつけ、秋にはとてもきれいな紅葉(ハイブッシュ系がきれいです)が楽しめます。10年前に栽培を始め、防鳥網を掛けた30アールに20品種、600本弱を栽培しています。庭に植えても鉢に植えても、わりと栽培しやすい果樹です。日陰地でも、それなりに収穫できます。鉢植えも、成長と共に鉢を大き目のものへと替えていくと、たくさん収穫できます。

● 各地から

 近畿 長崎と枚方の食文化交流  ・・・・ 福川 妃路子

● 達人に聞く「旬の有機農産物」加工のすすめ15   ・・・・ 今井 優子

 ど素人の挑戦「さつまいも飴」 焼き芋の美味しい季節になりました。以前、事務局でお菓子の話をしていたときだったでしょうか。事務局の上杉さんが、幼少期に食べたさつま芋飴の素晴らしさを語ってくれました。この世のものとは思えないような表現に、「さつま芋飴」というものを見たことも食べたこともない私は、「さつま芋飴」に憧れるようになりました。今回、鹿児島の久木田敬一さんから「さつま芋」の作り方を伺うことができました。現在は作っていないということでしたので、有志で実際に作ってみました。今回は、「熱き心くん」の武藤さんのベニアズマ15kg、大麦麦芽1kg使いました。

● BOOK 『アース・デモクラシー』ヴァンダナ・シヴァ著   ・・・・ 山本 規雄

 本書の著者ヴァンダナ・シヴァは、環境問題や農業問題を中心にさまざまな分野で活躍しているインドの市民運動家、思想家です。彼女の本は日本でもたくさん翻訳されています(本書が8冊目)。 >> 詳しく


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