JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

『土と健康』2005年3月号(一部紹介)

画・田島征三

今月の表紙
発作・田島征三
撮影・酒井 敦

 表紙のことば

「歩き続ける犬」
 「キャン」という名の犬を飼っていた。きゃん!きゃん!鳴いてうるさいばかりの神経質な犬だった。東京の日の出町から伊豆に移動する時、日の出の家を守ってくれる人たちのため、3匹いる犬のうち、一番質(たち)の悪い犬を連れて行くことにした。
 伊豆の仮住まいで飼い始めると「キャン」はよい犬に変質してしまい、顔までかわいい犬になったのだ。きっとこの犬はヤキモチヤキで、他の犬たちよりかまってもらおうとして、「きゃん、きゃん」鳴いていたのだろう。それが女房とぼくの愛を独占できるようになったので、気持ちも身体(からだ)も安定したのにちがいない。
 ぼくは毎日の散歩に「キャン」を連れて歩いた。出会う人が「かわいい犬だこと」とか「愛されている犬は身体までかわいくなるんですね」とかほめられるようになった。
 「キャン」は子犬ではなく、すでに13歳〜15歳の老犬であった。目は白内障あんまり見えていないようで、よくけつまづいて転んでいた。耳も遠くて寝ている所に近づいても気づかないし、大声でよんでもとんでもない方向をキョロキョロ見ているようなありさまだった。鼻もきかなくなって、好物を頭のすぐ横に置いてやっても気づかない。
 ある日、「キャン」は行方不明となってしまったのである。いろいろと手をつくして探したが、見つからない。「キャン」は今も見えない目と聞こえない耳ときかない鼻をたよりに、ぼくたちの住んでいる家を探して歩いているように思える。
 でも、行方がわからなくなって5年、とても生きているとは思えない。でも、ぼくも心の中では今も「キャン」は、歩きつづけているように思えてならないのである。

田島征三
ホームページアドレス http://www.geocities.jp/djrnq642/


 今月の記事から

●私の発言 北海道は、今まさに試されている!  ・・・石塚 おさむ
 昨年秋の降って湧いたような、遺伝子組み換え推進農家による遺伝子組み換え大豆の栽培宣言は記憶に新しい。いま、北海道議会で審議されている「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」について、有機農家の立場から検討会委員として参加された石塚さん(北海道有機農業研究会事務局長)が、経過と見通しを報告します。

●BSE・うつ病・キレル子どもたち−金属イオンと神経疾患 講演録[2]
            ・・・西田 雄三
 人も牛・羊・鹿も同じ!神経疾患の原因は酸化ストレス。前号に引き続いて西田雄三教授(山形大学理学部)の講演の記録。BSE(牛海綿状脳症)とマンガンなどの金属イオンとの関連について解き明かします。鉄イオンの不足が、うつ病やすぐにキレル子どもたちの増大をもたらしています。サプリメントからではなく毎日の食事から採ることの重要性が述べられています。

●第2回有機畜産と自給セミナー講演録[パート3]“安全より効率優先”でクスリ漬け
            ・・・ 小暮 一雄
 埼玉県所沢市の獣医師・小暮一雄さんが、「効率重視」「クスリ漬け」畜産の現状と畜産行政の問題点を、獣医師の立場から説き起こします。当事者のモラルに依存しても「安全」は確保できない、と。

● 熱き心くん:孤軍奮闘したパートナーに感謝!  ・・・正木 早苗
 【ここから】BSEなどの神経疾患は金属イオンが大きく関与し、牛(BSE)でも羊(スクレイピー)でも人(クロイツフェルト・ヤコブ病)でも発症機構は同じことを明らかにします。そして異常プリオンは肉骨粉とは関係のないこと、それ故「全頭検査」以外に排除の方法がないことを解説します。

●食を見直そう 油と健康[その1]“マーガリンはヘルシー”のウソ
            ・・・安田 節子
 40年間に日本人の食生活は大きく変化しました。コメの消費量は半減、肉が5倍、油が4倍に。今号より「食を見直そう」シリーズを始めます。第1回は油の問題です。「マーガリンはヘルシーのウソ」として、なぜ身体に良くないかのレポートです。

●秋田有機農業研究会研修会報告 有機農業と地産地消 秋田でどう広めるか
            ・・・谷口 吉光
 いまや全国最大の環境保全型稲作産地となった大潟村や自給運動を展開した旧仁賀保町農協の運動と、歴史ある秋田県の有機農業運動の活性化を、「農家民宿」「地場流通」「産消交流」などをキーワードに議論しました。

●「有機」を地域の人々の手に取り戻す動き[アメリカ]解説 エリザベス・ヘンダーソンさんの講演を紹介するにあたって  ・・・久保田 裕子
 アメリカ版の「提携」システムであるCSA(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)=地域が支える農業についてのレポートです。アメリカでも有機認証の制度化により有機農業の産業化が進展し小規模農家が締め出されようとしています。公的認証でない有機認証を模索する動きも出てきています。

●足立区都市農業公園便り  ・・・有機農業サポート室・明石 誠一
 東京都足立区の委託を受けて、都市農業公園の畑で有機農業を始めて1年。有機農業サポート室の今月のレポートは春に向けての堆肥つくり。スズメにも好評の米ヌカと魚粉のボカシ肥も。
 >> 詳しく 

●抜群の相性です 有機農業と地域通貨  ・・・片柳 義春
 神奈川県大和市にある「なないろ畑農場」の野菜は、地域通貨がないと買えません。一袋300円のサツマイモには、円貨200円と100円分の地域通貨が必要です。農場で使う堆肥は、地域の公園などの落葉をボランティアが集めます。この作業には地域通貨が支払われます。地域通貨を軸にして有機野菜が提携システムで地域へ。

●技の交差点 ネコブセンチュウ対策

●あなたもなれるベジタリアン=美味しい野菜料理
 野菜を美味しく食べるには。今月は、大根の揚げ出し豆腐風味、菜の花のからし和え、生野菜のかんきつドレッシング和えの3つ。

●BOOK  今月取り上げた新刊は3冊です
 ○ 『伊那谷の田んぼの生き物』 四方 圭一郎編
 ○ 『世界食料戦争』 天笠 啓祐著
 ○ 『イチ子の遺言』 海老沢 とも子・橋本 明子・山崎 久民共著

●ニュースクリップ
 農業に関連する国際情報、国内情報を簡潔にまとめました。

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