【書評】『日本の有機農法』
(今井 優子)

発行:筑波書店
本体価格3000円+税
土作りから病害虫回避、有畜複合農業まで
これまで農業初心者に対する有機農業の入門書というものは、あるようでなかった。
『解説 日本の有機農法』は、茨城県水戸市にある鯉淵学園農業栄養専門学校で教鞭をとっている涌井義郎さんが、「学生のために有機農業技術の全体像を分かりやすく説明した『有機農法の解説書』がほしい」という思いから執筆した本である。鯉淵学園は有機JAS認証圃場も有しており、有機農業指導を積極的に行っている専門学校である。本書の有機稲作の部分は、生産者の舘野廣幸さんが執筆している。
本書は単なる有機農業の技術書ではない。有機農業が有する生態系の世界・法制度・思想・概念・問題などが体系的に書かれていて、たいへんわかりやすい。ところどころにコラムが織り込まれていて、読み物としても楽しめる。
涌井さんは「有機農業にこれから近づこう、取り組もうと考える人にとって『便利な本の1冊』であってくれたら」と語っているが、本書は有機農業を志す人にとって必須のバイブルになるであろう。
目次
1.環境保全型農業と有機農業 2.有機農法の理解のために 3.土作りの技術 4.作物管理の技術 5.病害虫回避の技術 6.水田稲作の有機農法 7.動物と共生する有機農業 8.有機農業と連動させる資源循環、省エネルギー 9.省力化技術「不耕起栽培」の可能性 10.環境保全とゾーニング 11.有機農産物認定制度と有機農業の推進

