| ニュース | 『土と健康』 | 本会について | 活動案内 | 入会案内 | English |
| 催し案内 | 出 版 物 | 遺伝子組み換え | 交 通 | サイトマップ | 更新履歴 |
あるテレビ番組で、料理研究家の辰巳芳子さんがご自分の畑の世話をなさる様子が映っていました。
「畑仕事のコツはどなたに教わったんですか?」と尋ねるインタビュアーに、八〇歳を超える辰巳さんの目
がキラッと光りました。
「あなたねえ、何でも人に教わるもんじゃないのよ。”現象”に教わるんです!」
* * *
ここでご紹介する、星寛治さんの新刊『「耕す教育」の時代』でも、「教える、教わるってどういうこと?」
という教育の原点を考える手がかりに数多く出会えます。
「…(略)…前近代の社会において、親たちがどういう仕方で子育てをしたのかを、はるかに思いはせることで、
現代の矛盾と荒廃を乗り越えるヒントをつかめそうな気がする。
それは、おそらく言葉や文字に頼るよりも、大人たち自身の生き様を、いわば体験と事実の重みを通して、
導き育てるあり方ではなかったろうか。」(62ページから引用)
生きる力を養うことが教育ならば、“なるべく土から離れる人間”を育てようとしてきた近代教育は、
最初から矛盾を抱えていたのでしょう。人は本来、土と太陽と水と空気なしには生きられないのですから。
もちろん近代になって、ようやく文字が幅広い層に行き渡ったという素晴らしい面は否定できません。
「人はパンのみに生くるにあらず」でもあり、精神的な拠り所が人を強く生かしてくれます。
それでも、長い人類の歴史から見ると、近代教育は、知識に傾き過ぎた異質なもののようで、これから本筋の
「耕す教育」を新たな形で創造できるのではという希望が見えてきます。
(イラストレーター&ライター高田美果)