JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 足立区都市農業公園だより(6)
       ―有機農業サポート室活動レポート―
『失春の定植ラッシュに向けて準備万端ととのえる冬』

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

ボカシの積み込み

ボカシの積み込み

 今年の冬は寒い。東京は霜が降りないと思っている方もいるようですが、そんなことはありませんでした。雪も例年に比べて多く降っています。雪国の寒さに比べたら大したことはないかもしれませんが、それでも寒いものは寒いです。都市農業公園(以下略して都市農)にも10cm弱の霜柱がたっています。そんな中、野菜たちもがんばっています。そして私たちは、春の準備を少しずつ始めていました。

 いい堆肥は「さくっ」「もあぁ〜」「あんま〜い」

 キャベツ、白菜、大根は肥料が足りないという顔をしていました。素直に大きくなっていかないで、葉が小さく、いじけた感じです。これは堆肥を積む段階で、米ヌカを混ぜ合わせる量が少なかったことが原因と考えられました。魚住さんが想像していた量と、私が実際に入れていた量に差があったためです。

ボカシの切り返し

トラクターのローターでボカシの切り返し

 早速、堆肥に混ぜる米ぬかの量を増やすと、堆肥を切り返す時にする香りが、今までのものに比べて甘い香りに変わりました。今までは発酵と言うより、腐敗に近い匂いだったと気付かされました。そして堆肥を切り返すのが一つの楽しみになっています。「さくっ」と堆肥にバケット(トラクターの全部に取り付けた土などを運ぶショベル)を差し入れ持ち上げて行くと、堆肥の間からまわりが見えなくなるほどの水蒸気が「もわぁ〜」と立ち込めて、米ヌカの発酵していく「あんま〜い」香りがしてきます。なんとなく、これはいい堆肥になるなと感じます。

 米ヌカ以外に入れるものは、赤土と発酵の進んだ堆肥です。赤土はアンモニアの流出を抑えて窒素分を保持するために入れ、発酵が進んだ堆肥は発酵菌の増幅に役立ちます。こうして堆肥作りに修正を加えて行きました。

 ぼかしはスズメのご馳走

 またこれとは別に、ぼかし肥も作っておくことにしました。肥料成分も濃く、つい肥にも利用出来るものです。

 ぼかしを作るのに今回使用したものは、魚粉、米ヌカ、赤土、水です。魚粉と、米ヌカは1対2くらいの割合で混ぜ合わせました。赤土に水分が含まれていたので、水は少なめでした。手で握って少し固まり、すぐほぐれ落ちるくらいの水分量です。これはこまめに切り返しをしないと腐敗していくため、都市農へ行くたびに切り返しをしています。

 このぼかしは、鳥たちに大人気のようです。堆肥場で切り返しをした後はいつもきれいに掃いておくのに、次に来て見ると決まって散らかっています。初めは風かと思いましたが、犯人はスズメでした。魚粉は飼料用のものを使っているため、スズメにとってもご馳走だったわけです。しかしこのぼかしはかなりきつい匂いを放っている為、切り返しをしている際に通るお客さんは殆どが鼻を押さえています。もう少し赤土を混ぜてアンモニアの発散を押さえることにしました。

 粉砕機「フレルモア」登場

 フレルモア(以下略してモア)が都市農にやって来ました。このモアは草などを細かく粉砕してくれる機械で、草だらけになった畑や、サツマ芋のツルを粉砕するのに使えます。トラクターについているロータリー(耕転するための機械)を外し、モアを取り付けて使います。この取り付けが大変なのです。穴が合わないとか、この金具は右につけるの?それとも左?どっちが前?と言った感じです。

 もちろん初めに取り付け講習会はやりました。その時はよーく理解していました。物忘れのせいもあるでしょうが、実際に自分でやると、そう簡単にはいかないものです。でも習うより慣れろです。回数をこなせばコツも分かってくるでしょう。今では初めの頃に比べると、少しは出来るようになってきました。

 春の作付け用に堆肥の量が足りなかったので、このモアを使って葦を粉砕し、堆肥を作ることにしました。都市農は荒川のスーパー堤防を利用して出来た公園なので、葦は川沿いにたくさん生えています。それを鎌で刈り、軽トラで堆肥置き場まで運び、モアで粉砕します。モアは私も初めて使う機械でしたが、よく細かくなるものだと感心させられました。

 機械操作は支度と注意を万全に

 モアの重量が重いためか、ロータリーのように高く上がらないので、運ばれてきた葦を薄く広げて、モアを後進、前進とかけて行きます。何度か繰り返し行うと細かく粉砕されて行きます。粉砕される様子を見ながら後ろを見ていると、粉砕されたかけらが目の前をかすめて行く事がありました。眼鏡をかけているとはいえ、危なかったです。

 モアに限らず、機械を操作する時は気を付けなくてはいけません。慣れてきたころが危ないと、魚住さんにもよく言われています。モアをかけているとホコリや、チリがかなり舞います。初めてモアを使った日はマスクや頭に巻く手ぬぐいを用意していなかったので、ホコリまみれになりました。昔のひ弱な頃の私なら、間違いなく風邪をひいていたと、勝手な想像をしてしまいました。都市農の方にマスクを貸して頂き、それ以降は快調に粉砕して行きました。

 運び込まれる葦は一見かなりの量に見えますが、粉砕すると少しになってしまいます。鎌で刈っていたので、そんなに量は集まらないのではと思っていましたが、人の力は、集まるとすごいものです。粉砕した葦を寄せ集めてみるとかなりの量になっていました。葦は乾燥しているので水をかけ、これに米ヌカを混ぜておきました。3月にはじゃが芋を植え、その後に果菜類の定植ラッシュがやって来ます。それまでに堆肥を準備しておく必要がありましたが、どうやらこれで間に合いそうです。ひとまず安心です。

有機農業サポート室メンバー

有機農業サポート室メンバー
前列左から魚住さん
林さん、梅原さん
後列左から宇治田さん
明石さん

 農閑期のこの時期に堆肥となる材料を少しずつ集め、夏野菜の準備をすることは冬の大切な仕事ですね。私はこれから、落ち葉掃きを冬の趣味の一つにしてやろうと個人的に思いました。面倒臭がらずに、大切な土作りの元になるものですから、大事な仕事の一つとして、楽しみながらやりたいと思います。

 また、4月から始まる05年度は、有機農業研究会が新たな展開を見せようとしています。畑、田んぼ担当の魚住さん(茨城)に宇治田さん(茨城)が加わり、林さん(千葉)による野菜づくり教室や、前嶋和芳さん(山梨)による果樹の管理が行われ、指導作業員にも新しいメンバーが加わります。乞うご期待!

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時〜午後5時
【休園日】 12月28日〜翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

 ご案内:いたばしボランティア・市民活動フォーラム

 「板橋がもし100人の村だったら」から考える
  都市農業がもたらす豊かさ

[第1部]

講演 大江正章氏(コモンズ編集長)
   持続可能な都市農業であるための課題
   都市農業がもたらす豊かさを考える

報告 明石誠一(本会有機農業サポート室指導作業員)ほか   
   板橋在住の農業従事者が語る、今と未来

[第2部]

分科会 「農作物をつくる」(持続可能な農業、地産地消)ほか

日時 3月21日(月・祝日)13時〜16時30分
会場 いたばしボランティア・NPOホール
定員 50名(参加費無料)
主催 板橋区立大原社会教育会館
   NPOボランティア・市民活動学習推進センターいたばし   
   e-mail:gakusyu-itabashi@nifty.com   
   企画 農的シティライフの会   
   問合わせ 大原社会教育会館(担当・野沢)   
   TEL 03―3969―0401 FAX 03―3969―0403

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