JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 足立区都市農業公園だより(4)
       ―有機農業サポート室活動レポート―
 「論より証拠」の収穫祭 
  ―無農薬で立派に育った野菜たち

有機農業サポート室指導員  明石 誠一

 例年に比べるとあたたかい今年の秋ですが、虫の被害もひところに比べると落ち着きだし、実りの秋を迎えました。ここ足立区立都市農業公園(以下略して都市農)の稲穂も頭を垂れ、秋野菜が実りました。

 収穫祭は開園前から大行列

 10月24日は都市農の秋の収穫祭でした。ここで行なわれるイベントの中でも最も賑わうものだと思います。この日はさまざまな催しものが行われます。野菜の収穫体験、頒布、園芸講座、ハーブティーの試飲会、自然環境館によるドングリクラフト、古民家の前でのお茶会、菊花展、陶芸体験コーナー、和太鼓演奏会などなど。そして私は野菜の収穫体験のお手伝いをしました。

 収穫体験で収穫する野菜は、さつま芋、里芋、ネギ、ニンジンの4種類。4種類それぞれに5人〜6人の係員をつけます。私は里芋を担当する事になりました。掘り取りの開始時間は午前の部が10時から、午後が13時半からです。公園の開園時間は朝の9時ですが、私が都市農に着いた8時には、もうすでに開園待ちの行列。駐車場が開くのを待つ車の列も一般道路まで続いていました。お客さんのやる気に、こっちがドキドキしてきました。

 お客さんが来る前に用意しておくものはスコップ、里芋を入れて帰るビニール袋、掘ってみてあまりに少ない株に付け足す予備の里芋。他の野菜の掘り取り準備も進んでいます。これで準備万端。あとはお客さんを待つばかり。

 9時の開園と同時にお客さんが堰を切ったように入ってきます。お客さんは畑に向かってきます。掘り取り体験が目当てのようです。お目当ての野菜の前に、列を作っていきます。やはり掘り取りと言ったらさつま芋、というイメージが強いのか、さつま芋が一番に定員オーバーになりました。

 次に里芋も定員オーバー。ネギ、ニンジンも最後には定員オーバー。さつま芋120人、里芋60人、ニンジン120人、ネギ60人が午前のお客さんの数。午後も同数のお客さんが参加したので、この日参加したお客さんの数は総勢720人。そして家族連れの方がほとんどだったので、この数の2〜3倍の人が掘り取り体験に参加した事になります。

 当朝、参加者の長い行列ができてしまい、受付場所を急遽変えて対応せざるを得なくなりました。

 開園前から何時間も待っているお客さんの刺さるような期待に押されながら、私にとっても、掘り取りが始まるまでの時間は長いものでした...。

 これが掘り取りの醍醐味

 そしてようやく10時になりました。今までのイライラと、不安はどこかへ飛んで行ってくれました。里芋は掘り起こすと「メリメリ、ボコ!」と大きな株が出てきます。「ウワー、大きい!」「これは得した」と、お客さんに満足してもらえたからでした。ある女の子が掘り上げた里芋は大きすぎて袋に入らないものがあったので、芋をかき取って分けて入れようとしたら、そのままの形で持って帰りたいというのです。袋からはみ出していましたが、そのまま持って帰りました。

 これが掘り取りの醍醐味だなぁと思いました。スーパーの野菜は、畑でこうやってなっていたのだよって、伝わった気がしました。こうして午前の部はあっという間に終了。そんなそばから、午後は何時からかと尋ねてくるお客さんがたくさんいました。午後は13時半からスタートです。私たちは12時から交代で昼食を取りに行きましたが、その時はもうすでにお客さんは午後の部の為に並び始めていました。13時に畑へ行ってみると、もうすでに長蛇の列。午後は午前に比べて、早い段階で定員オーバーになっていました。並んでいるあるお客さんのは私たちが畑の虫取りをしている所を見て下さっていた方がいました。その時一生懸命やっているなぁと思い、今年の収穫祭に参加しようと思って下さった方がいました。それで里芋の列に2時間以上も待っていたのです。私たちにとって、これほど嬉しい事はありません。丹精こめて作ったかいがありました。本当に有難かったです。

 歓声と拍手!幸せそうな顔・顔・・・

 今年の猛暑の影響で、さつま芋がきちんとなっているか心配していましたが、立派なさつま芋がなっていて一安心でした。自分に割り振られたさつま芋が少し小さいと、隣の芋が気になる人がいたり、またあるお母さんは子供に掘らせようと、大きな芋のまわりを掘ってあげてから、最後の引き抜くところを子供にやらせてあげたりしていました。

 ニンジンも、思いのほか大きくなっていてくれました。「んん〜、ずぼ!んん〜、ずぼ!」と、3歳くらいの小さい男の子は、ニンジンを一人で引き抜いていました。引き抜く度に、後ろによろけて転びそうになります。そんな時お母さんは子どもの後ろにただ立っていてあげるだけでした。親の見守る優しさを感じる光景でした。

 大きな里芋を掘り起こそうと力を合わせる4人の子供たち。なかなか出てきません。あっちから掘り、こっちから掘り、ようやく大きな塊の里芋が引っくり返って出て来ました。「パチ、パチ、パチ…」思わずまわりから拍手。よくがんばったね。みなさんいい体験と、想い出が出来たのではないでしょうか。私もとても楽しかったです。

 有機農業に出合える貴重な公園

 掘り取り体験といったらさつま芋、というイメージがありましたが、これだけ色んな種類の野菜を収穫体験できた公園は貴重だと思います。野菜は工業製品ではなく、こうして生きているのだと、目の当たりにして、手に触れて感じることが何より大切な事だと思います。

 農薬を使わなくても、形が少し悪くても、美味しい野菜は出来るのだと、これからも伝えていきたいです。

足立区都市農業公園
【場所】 東京都足立区鹿浜2‐44‐1
【交通】 東武伊勢崎線西新井駅から都市農業公園行き(東武バス)終点(都市農業公園)下車
【開園時間】 午前9時〜午後5時
【休園日】 12月28日〜翌年1月4日まで。公園管理のため前記以外に閉園することがあります。
【TEL】 03‐3853‐4114

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