JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 北陸研究センターでの遺伝子組み換えイネの野外実験中止を求めて

日本有機農業研究会 『土と健康』 05年6月号
「新潟遺伝子組み換えイネいらない!」連絡会 天明 伸浩

全国レベルの署名活動を展開

 「カラシナ由来の抗菌性タンパク質をもつ複合耐病性イネ系統の隔離圃場実験説明会」のFAXが流れてきたのは4月19日でした。新潟県上越市にある中央農業総合研究センターの北陸研究センターでの遺伝子組み換えイネの野外実験であり、地元農家としては看過できないものでした。新潟は、この冬大雪に見舞われ、春の農繁期に入ったところでしたが、ことの重大性から、有機栽培など実践している新潟県内の3グループが急きょ集りました。

 その場で、実験開始の時期が近づいていていることや、これまでも全国で野外実験が企画されては中止に追い込まれていることが報告されました。私たちが大切にしている新潟の地で、遺伝子組み換えイネの野外実験をされるのは困るという意見に集約しました。そこで説明会までの日数も限られていましたが、出来るだけ多くの人が説明会に出席して反対意見を伝える。また、全国の多くの人たちに説明会があることを伝え、この実験に反対の意見表明をしてもらうことにしました。この時に「新潟遺伝子組み換えイネいらない!」連絡会を立ち上げました。

 北陸センターでの説明会には、地元農家・消費者を中心に150名が参加しました。北陸研究センターの約1時間の実験説明の後、質疑になりました。最初から1人1問、手短に、と言うことで、議論しながら問題点を解決していく姿勢が感じられないスタートでした。

 当初予定していた35分間の予定時間を大幅に超えて1時間30分以上の長い質疑となりました。生産者・消費者などからは、実験の必要性への疑問、自然界で起こるまだわかっていないことへの不安、風評被害の対応などの質問が出ました。しかし、議論はかみ合わない部分が多く、平行線のまま進み、北陸センターとしては、安全性には問題がなく、風評被害があっても、実験は当初の計画通りに実行する、というものでした。また、この実験は、遺伝子組み換えイネの商品化のための実験であることも明らかになりました。

 この説明会の後、「新潟遺伝子組み換えイネいらない!」連絡会としては、多くの人にこの実験が行われることを知らせる必要がある。また、反対の意見が多くあることを表明しなければ実験が行われてしまうとの認識により、地元より署名活動をスタートして、全国レベルの署名活動を展開することにしました。

 その中で、「北陸研究センターでの遺伝子組み換えイネの野外試験の中止」「食糧生産に遺伝子組み換え作物を利用することに反対」の二つの意見への賛同を求めていくことにしました。

 今回の実験は独立行政法人とはいえ国の研究機関といえるものなので、全国的な問題です。この実験を中止させるには様々な方面へ働きかけて多くの人の協力が必要です。この運動を通して、食糧生産での遺伝子組み換え作物の野外栽培を全国的に出来ないようにする必要性を感じています。

想像できない遺伝子組み換え作物の影響

 百姓仕事をしていると、自然界は思ったようには動かないことを実感します。ひとつの作用が、想像もしていなかった結果を呼び起こします。遺伝子組み換え作物は、想像できない結果を引き起こしてしまうように思います。

 有機農業は、自然界全体を見つめる営みですが、遺伝子組み換えは、ある部分のみを独立させて理解してしまいます。食糧を生産し、自然界と日々付き合っている百姓が、自然界には、有機的な網の目のような補い合う繋がりがあることを多くの人に伝え、この実験を中止させる必要があります。

> このページの先頭へ

 書籍紹介

 日本有機農業研究会では、設立以来、有機農業関係の基礎的な資料や書籍を発行してきました。一部を除き、一般書店ではお求めできないものです。
 ご注文は、郵便為替用紙、または、メール・FAXのいずれかの方法でお申込いただけます。

書籍のリストと購入方法はこちらへ

  _______________________

  _______________________

  _______________________