JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 遺伝子組み換えナタネ拡散の実態
 新たに四港周辺で繁殖確認

日本有機農業研究会 『土と健康』 04年12月号

 西洋ナタネは、食用油の原料として年間200万トンが主にカナダ、米国から遺伝子組み換え品種が不分別のまま輸入されています。千葉、横浜、名古屋、神戸の各港周辺で、除草剤耐性を持つ遺伝子組み換えナタネが繁殖していることが、「ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネット」(種子ネット)など市民団体が今年8〜10月に実施した調査で明らかになりました。(11月20日付新聞報道から)


白菜、カブなどへの交雑の危険も

 組み換えナタネの繁殖は、これまで茨城県鹿島港や三重県四日市港、鹿島港から約30キロの千葉県内で見つかっており、今回の調査で、より広い範囲に拡大しつつある実態が明らかになりました。

 調査は、採取した葉や種をすりつぶし、除草剤のラウンドアップ(成分グリホサート)やバスタ(成分グルホシネート)に耐性を持つ遺伝子がつくるタンパク質の有無を専用の試験紙で判定するというものです。

 その結果、グリホサート耐性ナタネを千葉、横浜、名古屋の各港付近で、グルホシネート耐性ナタネは名古屋、神戸両港周辺のほか鹿島港から数キロ離れた鹿島市内や数十キロ離れた茨城県取手市の利根川付近でも確認。名古屋港と神戸港周辺では各約10検体を採取、いずれも約半数が除草剤耐性を示したということです。

 遺伝子組み換えナタネは、在来種のナタネや近縁の野菜(白菜、カブ、高菜、からし菜等)と交雑しやすく、現状を放置すれば、こうした作物への遺伝子拡散が懸念されます。


 利根川の堤防に組み換えナタネ自生の可能性大

砂長 弘一(茨城県水海道市)

環境省はもっと詳しい調査を

 種子ネットホームぺージに利根川堤防、鹿島港周辺の組み換えナタネの自生に関する報告が発表されています。この調査に同行した者として感想を述べます。

 利根川の右岸千葉県側には堤防上及び直下が県道170号、国道356号として整備されています。茨城県から千葉県に入るには必ず利根川の橋を渡ります。このことから、橋のたもとを調査すれば、車による拡散の見当が付くであろうと。また、利根川の堤防、河川敷にはカラシナと地元では呼んでいるアブラナ科の植物が群生していて、春からは黄色の花が咲き乱れます。この群落に組み換え遺伝子が侵入してはいないのか。私はこのことが気にかかっていました。まっすぐ下れば鹿島に至ります。

 種子ネットによる検査の結果は大変がっかりするものでした。80キロほど離れた取手市の堤防、常総大橋から出てしまいました。除草作業直後で見つけることが出来ない所も多くあり、この結果から利根川の堤防には組み換えナタネが自生していると考えたほうがよいと思いました。
 環境省は利根川、小貝川、鬼怒川のカラシナからは組換え遺伝子は見つからないと言っていますが、もっと詳しい調査が必要です。

拡散を防ぐために、今できる三つのこと

 鹿島港からは、北関東、甲信越、東北方面へ飼料が供給されています。飼料団地と呼ばれている一帯に飼料運搬トラックは出入りしています。この周辺の道路側からは高い密度で組み換えナタネが発見できます。車体に付着して種が運ばれている現状を考えると、何処の道端で組換えナタネがひっそりと生きていてもおかしくありません。

 鹿島で見つかる組み換えナタネは、幹線道路の傍らに限られています。種が車で運ばれ、落ちて育ったと考えてよいと思います。発見地点(道路)から離れるとまず見つかりません。ただ花が咲いていて、蜂が蜜を吸っている姿を見ました。

 今できる対応としては、@飼料団地に出入りする車に付着した種子を、よくおとすこと。この徹底です。A鹿島港周辺でアブラナ科の花を咲かせることを止めること。組み換え遺伝子花粉の供給元になってしまわないうちに、河川の堤防で自生しているアブラナ科の群落の開花前の除草が必要です。国土交通省にやってもらわねばなりません。B自家採種する人は、念のためチェックをすること。
 ゼロにはできなくても、それに近づける努力をして、次世代への義務を果たしましょう。

種子ネットホームページ http://www007.upp.so-net.ne.jp/Seeds-Network/syusityousa0.htm

> このページの先頭へ

 書籍紹介

 日本有機農業研究会では、設立以来、有機農業関係の基礎的な資料や書籍を発行してきました。一部を除き、一般書店ではお求めできないものです。
 ご注文は、郵便為替用紙、または、メール・FAXのいずれかの方法でお申込いただけます。

書籍のリストと購入方法はこちらへ

  _______________________

  _______________________

  _______________________