JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

ストップ!遺伝子組み換え汚染
菜の花のGM検査を緊急に!
 栽培用ナタネ種子・ナタネ油かすから遺伝子組み換え検出

日本有機農業研究会 『土と健康』04年7月号 科学部 山田 勝巳

市販の種子等を検査

 トウモロコシやナタネの花粉飛散による遺伝子汚染(通常の品種が遺伝子組換え品種と交雑し、組換え遺伝子が通常品種に入り込んでしまうこと)が、一般栽培を行っているアメリカ、カナダで広がっています。その影響は種子にも及んでいるのではないだろうか。このほど、ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネットは、日本において販売されているナタネ、アブラナの種子の遺伝子組換え検査を行いました。
 検査結果は、同ネット発行の機関誌『たね』5号(二〇〇四年一月)に掲載しました。別掲のものです。八品種中二品種の種子から組換え(GM)遺伝子が検出されました。また、食用ナタネ油の絞り粕からもGM遺伝子が検出されました。

輸入ものからGM検出

 検査に使った種子は、日本国内で販売されているものです。ナタネは、農作物としての国内作付はごくわずかで、多くは輸入農産物として入ってきています。ただし、菜の花として親しまれており、近年は、全国的に菜の花街道や菜の花プロジェクトなど、観光、環境の観点から作られるようになっています。もしも、その種子に遺伝子組換え汚染があるとすれば、それ自体が大問題であるだけでなく、他のアブラナ科の野菜への汚染も心配しなければならなくなります。

ナタネ由来と特定できない汚染

 ただし、不可解であるのは、これらのGMの陽性反応があったものを品種特定するために追加の検査を依頼して実施したところ、ナタネの特有の反応がなかったことです。つまり、プライマーが何種類かあり、これらの組合せで最低三組は陽性でなければいけないところ、今回は二組で最低限を満たす組数の反応がなかったのです。他の遺伝子(大豆、綿、米、トウモロコシ)でも検査しましたが、反応はあるもののこれらでも特定に至る反応ではなかったということです。GM反応はあるのですが、それが何のGMか特定できない状態になっています。

 メイワン・ホー博士に問い合わせたところ、「あらゆるバイテク企業の組み換え遺伝子が汚染しあっている中でこういう結果が出るのは当然のことだ」と極めて簡潔な回答がきました。
 これをどのように見るか、これからも多くの検査が必要であると思います。いずれにしても私たちが直面している問題は、(1)従来の検査法ではGM品種特定ができない、(2)現場の交雑汚染は知らぬ間に広範かつ複雑に進んでいる、(3)GM企業が行っている遺伝子操作実態が全部把握しきれていない(検査会社であってもわからない)、(4)これまでの科学の知見よりも実態がはるかに進み、科学では把握できない状態になってきている、ということになるかと思います。

菜の花づくりに警鐘

 菜の花栽培が町おこしや、代替燃料であるのならば、何も世界中で汚染が深刻になっている品種(からし菜、油菜等)である必要はなく、小松菜などで充分に用は足りるものです。全国が菜の花になっては、誰も菜の花に興味を起こさなくなりましょう。富良野のラベンダーのように何万とある花や植物の中から独自のものを選ぶことを考えていただけないでしょうか。とりあえず、菜の花は充分な汚染防止の管理法が見つからない現状では、取り止める賢明さを持っていただきたいと思います。どうしても菜の花でというのであれば、ぜひ、以下の点を守っていただきたいと思います。

 ・種子選びを慎重に。――検査活動に積極的に参加し、事前に種子の検査をする。
 ・菜の花が遺伝子組換え汚染にさらされていることを認識し、汚染から守る活動を強化しよう(栽培をさせない)。
 ・輸入ナタネに代わる油糧種子の自給をすすめよう。

●栽培用ナタネ種子・ナタネ油かすの遺伝子組み換え検査結果

1 ナタネ種子、ナタネ油かすの検体について
   購入時期:2002年5月〜2003年4月
   購入地域:関東、中部、近畿、四国、中国地方

2 検査
   検査時期:2003年12月〜1月 
   検査方法:標準検査(GMO特有遺伝子3点検定 準定量検査)
        1検体2点(独立、並列)分析、品種特定検査
   検査基準:含有率 0.1%

3 検査機関:株式会社ファルコライフサイエンス
  《栽培用ナタネ種子》        (+ 検出  − 不検出)

サカタのタネ 花飾り花菜 アメリカ
タキイ種苗 青刈りなたねレープ 北海道
トーホク 芯切菜(あぶら菜) アメリカ
トーホク(JAのたね) 芯切菜(あぶら菜) アメリカ
トーホク 黄からし菜 アメリカ
トーホク ふゆ菜(早生油菜) アメリカ
トーホク 新晩生あぶら菜 アメリカ
トーホク(JAのたね) 新晩生あぶら菜 アメリカ


《食用ナタネ油の絞りかす》

リノール油脂株式会社 純良油かす
タキイ種苗 日清5.3純正なたね油かす粉末

●分析した組換え遺伝子

 除草剤グルフォシネート耐性遺伝子(HCN10、HCN92、T45)
 高ラウリン酸遺伝子(E23−196/23−18−17/18)
 除草剤ラウンドアップ耐性遺伝子(RT73、GT200)
 除草剤ブロキシミル耐性遺伝子(Wester/Oxy235)
 雄性不稔と除草剤グルフォシネート耐性(MS8)
 稔性回復遺伝子と除草剤グルフォシネート耐性(RF3)

 ※高ラウリン酸遺伝子はアメリカとカナダでのみ認可されており、日本では未認可。

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