JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 岩手県の遺伝子組み換えイネ(Sub29)の
 野外隔離ほ場実験について

日本有機農業研究会 『土と健康』 03年10月号
いわて遺伝子組換えイネ監視ネットワーク 事務局 入江 敦

 今年四月二〇日、遺伝子組み換えイネ(以下、sub29)の野外実験の説明会が開かれた。このsub29は、岩手県が一〇〇%出資した財団法人生物工学研究センター(以下、生工研)が作った冷害耐性の遺伝子組換えイネである。稲から取り出したGST遺伝子を二組と、そのプロモーターとしてトウロコシ由来のユビキチン遺伝子とマーカーとして二種類の大腸菌由来の抗生物質耐性(ハイグロマイシンとカナマイシン)遺伝子が導入されたササニシキだ。野外の小さな隔離ほ場(二m×五mの二枚)で栽培するというもの。

 GSTはどの生物もが持っているさまざまなストレスに対する解毒酵素ということが知られている。生工研の説明では、低温のときは活性酸素が発生し生育を阻害するという。そのためこのsub29は温室内で初期成育の低温時に伸長性が優れていたという。さらに、イネから取り出した遺伝子をイネに戻したのだから安全であるという説明だ。

 この説明会の広報は生工研のホームページと岩手日報の一八日の記事、地元北上市の広報紙に載っただけである。実際私たちが知ったのは後日であった。そこで「いわて遺伝子組換えイネ監視ネットワーク」を緊急に作り、公開質問状を提出、再度説明会を開催するよう要請、六月一四日に再度の説明会が開かれた。この日の参加者は、約八〇人(会場に入りきれなかった)だった。そこでイネ以外の遺伝子が導入されたことが、初めて説明された。しかし肝心のこの実験の責任の所在、岩手の農業政策全体との関係等不明な点があったためさらに質問状と実験中止の要請をおこなった。

 八月二二日の回答でようやく、責任の所在は生工研の所長にあること、この二年の隔離ほ場での基礎実験は行うが、一般ほ場へは移行しないこと。実験とは関係ないが、GM作物の県内作付けがあった場合は、鋤き込みの要請することなどを引き出した。この中で、抗生物質耐性遺伝子の問題点に対する研究者の考え方や、申請中の特許(GSTと耐冷性の関連)についてなど納得できない部分があるので、今後さらに提起していく予定である。

 この秋は、岩手生協、生活クラブと当ネットが他の団体に呼びかけ、反GM集会を盛岡で開催する。この集会を通しても、県がGMに対して反対の立場を明確にとるように要請していくつもりである。なお、生活クラブがGMイネの開発中止を求める署名を集めている。

 このような天候にもかかわらず、我が家の有機ほ場のイネは、周りの稲と比べ生育が良い。同じ気象条件にあっても生育が違うのはなぜか。有機農業の優位性を科学的に確認するような研究を県に対して要望したい。


●GM作物いらない全国集会について●
岩手で! 遺伝子組み換え作物いらない!! 全国集会


  盛岡市教育会館大ホール500人から800人規模で『遺伝子組み換え作物いらない全国集会 in いわて』を開催することになりました。


日 時 11月28日(金)10時30分〜12時30分
主 催 いわて生協、岩手県生協連、消費者団体連絡協議会、生活クラブ生協、
     いわて遺伝子組換えイネ監視ネットワーク
連絡先 0197―24―3320 生活クラブ生協岩手 大木

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