JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 全国の自治体で遺伝子組み換え作物の栽培を条例で規制しよう!!

日本有機農業研究会 『土と健康』 03年8・9月合併号 山形県・藤島町有機農業研究会
加藤 鉱一

「町の許可なく栽培しないように」規制

 藤島町では昨年一二月議会で、遺伝子組み換え作物の栽培を条例で規制することを決めました。新たに制定された「藤島町人と環境にやさしいまちづくり条例」のなかで「食料生産基地としての信頼を確保するため、遺伝子組み換え農産物等の監視を強化し、町の許可なく栽培しないように規制を設けること。」(第八条三項)と明確にしました。

 藤島町には、山形県立農業試験場庄内支場や県立庄内農業高校などもあり、遺伝子組み換えについてはすべて町の監視下に置かれることになります。

二年前に、農協が対策

 遺伝子組み換え作物の栽培規制の条例化は、二年前に一部農家の遺伝子組み換え大豆の試験栽培が発端となりました。

 新聞で、「バイオ作物懇話会の会員が山形・富山など九カ所九〇aでGM大豆(ラウンドアップレディ)を試験栽培」と報道されましたが、山形県では藤島町内で一〇a試験栽培していました。

 庄内たがわ農協でも、組み換え大豆の試験栽培では、「開花前に刈り取り、モンサイト社の意向で特許種子を自家採取させない」ということで、その情報をキャッチしていました。

 農協では、組み換え大豆の試験栽培が公になれば、産地全体に大変なマイナスイメージになるとして、対策に乗り出しました。栽培した農家がつくった他の普通大豆だけでなく、所属しているグループ全員の大豆はすべて別枠で集荷してGM検査し、シロを確認しました。また、翌年には、試験栽培していなくても、すべてGM検査をしてシロを確認するなど徹底しました。

 農協の役員や担当者と栽培農家とのあいだでは、厳しいやり取りがありましたが、これらの対応は表面には出ませんでした。

エコタウンをめざすなかで

 昨年は、山形県内で七月三〇日、農薬取締法違反などの疑いで農薬販売業者を逮捕したことから無登録農薬販売事件が世間の知るところとなり、全国的な問題になりました。また、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)問題を頂点に、食に対する消費者の不信感が強まった年でした。

 藤島町では、昨年七月頃から、有機農業を通じて農業再建と地域経済の再建をめざしたまちづくり「エコタウンプロジェクト」を進める方針を決め、そのための基本となる条例を考えていました。その時に前年のGM大豆試験栽培が問題となり、新しいまちづくりの根本をゆるがすものになるとして、町による栽培規制が浮上しました。

試験研究機関も監視下に

 河田昌東氏の「遺伝子組換え作物」(『世界』〇二年一〇月号)が参考になり、抗生物質耐性遺伝子が水平伝達される実験結果など衝撃的で、町内で絶対に栽培させてはならないという機運が議会でも盛り上がりました。

 条例化にあたっては、県との協議を経て「禁止条例」にはできませんでしたが、町が許可しない限り、栽培できないことになります。また、試験研究機関でも町の許可が必要となり、監視下に置かれます。

 山形県の高校では授業で遺伝子組み換え実験を導入するとして、昨年一二月に、山大医学部で、理科系の高校教師に実験研修をおこなっています。抗生物質を分解したり、紫外線を浴びると光る物質を生成できる遺伝子を大腸菌に組み込む実験をおこなったということです。抗生物質の効かない大腸菌をつくることなど、問題です。

条例によるGM作物栽培規制に取り組もう!!

 今年は、茨城県や滋賀県などで遺伝子組み換えが新たな広がりを生み出しており、有効な対策を打ち出さなければなりません。

 全国的には、食に対する信頼や地産地消の運動、環境問題が国民の関心を呼んでおり、安全・安心の食料生産をめざす産地づくりは自治体の大きな課題になっています。

 多国籍企業と結んで利己的な利益だけを求める一部農家の野放図なGM栽培を許さず、遺伝子組み換え作物の栽培を規制できる体制をつくる必要があります。そのためには、最も身近な自治体で、条例化によってできるということを藤島町は証明しました。

 全国の自治体が、GM作物栽培規制の条例制定運動に取り組む必要があると考えます。

山形県藤島町ホームページ http://www.town.fujishima.yamagata.jp

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