JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 組み換え作物の新たなリスクに関する
 厚生労働省への質問書

日本有機農業研究会 『土と健康』 02年10月号

2002年8月12日

厚生労働大臣 坂口 力様

 7月17日付のザ・ガーディアンによると、英国の食糧基準局がニューカッスル大学の協力を得て行った人体実験で、組換え大豆の入った食事を取った後に人問の腸内細菌に組み換え遺伝子が取りこまれていたということです。
 組換え作物に入れこまれた遺伝子がウイルスなどに取りこまれる危険性(水平遺伝子伝達)は、当初から指摘されており、病原菌が組換え作物に導入されている抗生物質耐性遺伝子を獲得することやその変異が強く懸念されていたところです。
 こうした事態にどのように対処しようと考えておられるのか以下の質問に対する見解をお聞かせ下さい。


1 遺伝子組換え作物の安全性評価の見直しについて
 組換え食品を食べることで組換え遺伝子が人間の腸内細菌に取りこまれることが確認されたことは極めて憂慮すべき事です。
 この実験結果を受け、英国医師会がGM作物における抗生物質耐性遺伝子の使用禁止を求めています。日本が大量に輸入しているラウンドアップ耐性大豆をはじめ、これまで認可したほとんどは抗生物質耐性遺伝子がマーカーとして導入されています。腸内細菌が抗生物質耐性を獲得して、抗生物質が効かない体になる危険性が示されたと言えます。
 除草剤耐性遺伝子や殺虫毒素を作る遺伝子も腸内細菌に移行して新たな細菌を作り出し、未知の問題を引き起こす可能性やそれが環境中に広がる可能性も示されたのです。
 厚生労働省はこれまでに認可した組換え作物をいったん凍結して再評価作業を行うべきです。これまでの安全性評価では人工胃液、腸液で導入遺伝子は分解されるという実験データに基づいていました。私たちは人工胃液による限界のある実験でしかないことも含めこれまでの安全性評価は不十分であることを指摘してきました。英国の初めての人体実験において、水平伝達が起こったということは安全性評価のあり方を見なおさなければならないのではないですか。厚生労働省の今後の対応を教えてください。

2 EU並の遺伝子組換え食品の表示を求めます。
 欧州議会の決定によれば、EUはGM作物から作られたすべての食品に対する表示とトレサビリティ(追跡可能性)を決めました。表示義務は0.5%以上GMを含む全ての食品(畜産物を除く)であり、製品としては検知が困難な油、シロップなども含まれます。
 日本では食品安全に対する不信が高まっています。遺伝子組換え食品の表示制度で日本は大変遅れていることに強い不満があります。製品重量上位3位までの原料で、5%以上の含有の、大豆・トウモロコシ製品だけに表示であるため、使用された食品でも表示がされているものはまったく見当たりません。また、不使用表示においては5%未満なら混入を許容しているため、日本の不使用表示はEUでは確実にGM食品表示が必要なものであり消費者として納得できません。表示制度をトレサビリティと両輪で、組換え作物を原料に含む食品すべてに表示をするべきです。また、飼料で未承認品種の混入を1%まで認めていることから表示のない畜産物への不安が強いことにもきちんと対応してください。

3 因果関係によって危害があるとわかるまで規制しない今の体制を改め、予防原則を食品安全行政に採り入れるべきではないですか。

以上

 日本有機農業研究会/ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネットワーク/食政策センターピジョン21/食農ネット/全日本農民組合連合会/有機ネットちば反農蘂東京グループ/日本消費者連盟/遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン/ぽらん広場全国事務局/市民の大豆食品勉強会/大地を守る会(12団体)

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