JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

組み換え作物の新たなリスクに関する農水省への質問書

日本有機農業研究会 『土と健康』 02年10月号

2002年8月28日

農林水産大臣 武部 勤様

 昨年輸入トウモロコシ種子に検査検体数の40%近くに何らかのGM遺伝子が検出され汚染が深刻であることを指摘しました。
 タキイ種苗のものからは未承認のスターリンクも検出されておりました。また、トウモロコシの原産地であるメキシコの野生種に組み換え遺伝子が入り込み遺伝子汚染が拡大していることが明らかになりました。
 7月17日付のザ・ガーディアンによると、英国の食糧基準局がニューカッスル大学の協力を得て行った人体実験で、組換え大豆の入った食事を採った後に人問の腸内細菌に組み換え遺伝子が取りこまれていたということです。
 組換え作物に入れこまれた遺伝子がウイルスなどに取りこまれる危険性(水平遺伝子伝達)は、当初から指摘されており、病原園が組換え作物に導入されている抗生物質耐性遺伝子を獲得することやその変異が強く懸念されていたところです。
 こうした事態にどのように対処しようと考えておられるのか以下の質問に対する見解をお聞かせ下さい。

1 組換え作物から土壌菌、家畜の腸内細菌、蜂等花粉や蜜を摂取する昆虫の腸内細菌への水平伝達について、どのような見解をお持ちですか。また広く国際情報/文献の収集を行っていますか。
2 現在日本国内で行われている組換え大豆やコメなどの野外試験栽培について場所、実施主体などをすべて把握していますか。それらが開花前にすべて処分されたかどうかの確認はどのように行っていますか。
3 遺伝子汚染のない種子を確保するように、国産種子などで対応するということを先年打ち出していますが、これはどのように確保しているのか、現状をお知らせ下さい。
4 今年度のトウモロコシ、菜種種子の輸入実績はどのようになっていますか。また、これらの種子汚染がないことはどのように確認されたのか実績を示して下さい。
5 昨年の実績では、国内栽培用の輸入種子に組換えDNA汚染があることが判明しています。実際の圃場で栽培されたものにどれくらい汚染が起きているのか確認すべきですが、確認していますか。確認していればそのデータを示して下さい。
6 大学やその他の公的機関、私企業が行っている遺伝子組み換え作物の野外栽培試験の場所、内容を把握していますか。また、どのように管理監督して、人工遺伝子が自然生態系に紛れ込まないようにしているのかお教え下さい。把握している場合は、そのリストを、把握していない場合は、野放し状態をどうするのか方針をお知らせ下さい。
7 有機農産物、畜産物の生産にあたっては、遺伝子組換え種苗、肥料、飼料の使用が禁止されています。又生産物も汚染があってはならないわけですがこれらの確認については、どのように認証機関を指導し、又本当に担保されているのか農水省の監督内容を教えてください。また仮に、有機圃場で遺伝子汚染があった場合、その有機圃蕩の認証は取り消すべきですが、如何ですか。
8 農水省として、有機圃場に隣接する圃場でGM種子や汚染状況が未確認のものを栽培する場合、どのように汚染を防ぐことができるのかお教え下さい。
9 来年度の種子汚染、遺伝子汚染を防ぐための対策はどのようになっていますか。
10 EU並の遺伝子組換え食品の表示を求めます。

 欧州議会の決定によれば、EUはGM作物から作られたすべての食品に対する表示とトレサビリティ(追跡可能性)を決めました。表示義務は0.5%以上GMを含む全ての食品(畜産物を除く)であり、製品としては検知が困難な油、シロップなども含まれます。
 日本では食品安全に対する不信が高まっています。遺伝子組換え食品の表示制度で日本は大変遅れていることに強い不満があります。製品重量上位3位までの原料で、5%以上の含有の、大豆・トウモロコシ製品だけに表示であるため、使用された食品でも表示がされているものはまったく見当たりません。また、不使用表示においては5%未満なら混入を許容しているため、日本の不使用表示はEUでは確実にGM食品表示が必要なものであり消費者として納得できません。表示制度をトレサビリティと両輸で、組換え作物を原料に含む食品すべてに表示をするべきです。また、飼料で未承認品種の混入を1%まで認めていることから表示のない畜産物への不安が強いことにもきちんと対応してください。

以上

 日本有機農業研究会/ストップ遺伝子組み換え汚染種子ネットワーク/食政策センター/ピジョン21/大地 を守る会/食農ネット/市民の大豆食品勉強会/全日本農民組合連合会/ぽらん広場全国事務局/有機ネットちば/遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン/反農蘂東京グループ/日本消費者連盟(12団体)

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