JAPAN ORGANIC AGRICULTURE ASSOCIATION

日本有機農業研究会

 初の人体実験で
 GM遺伝子が人の腸内細薗に移行する事を確認

日本有機農業研究会 『土と健康』 02年10月号 科学部 山田 勝巳

 このショッキングなニュースは、これまで反対者がその可能性を指摘してきたにもかかわらず、推進者側の圧倒的な研究力によって否定されてきていたもので、やっと出たかの感が強い。以下に、最初に報じた『ザ・ガーディアン』の記事を抜粋して引用する。ちなみに日本の新聞では、全く取り上げられなかったし、今もこれに触れた記事は出ていないのではないかと思う。しかし、これは重大ニュースだ。
 『ザ.ガーディアン』2002年7月17日 ジョン.ビダルの記事より http://www.guardian.co.uk/gmdebate/Story/0,2763,756666,00.html

 「イギリスの研究者が、組み換え作物のDNAが人問の腸内細菌に入り込んでいるのを初めて示し、健康危害について重大な疑問を投げかけている。

 ほとんどのGM食品は、健康問題を起こしてはいないが、この論争の多い作物は抗生物質マーカー遺伝子が開発の初期段階で組み込まれている。

 研究者は、大腸切除を行い結腸瘻バッグ(人工肛門)を持つ7名のボランティアにGM大豆入りのバーガーとミルクシェークを一食与え、彼らの大便を12名の正常な腹部を持つ人たちの大便と比較した。

 研究者は、『組み換えDNAの比較的大部分が小腸を通過することにびっくりした』と発見を述べている。正常な腸を持つ人からは全く発見されなかった。

 さらに、組み換えDNAがバクテリアによって腸に運ばれるかどうかを見るために、結腸瘻バッグ内の大便からバクテリアを取り出し培養してみた。7サンプル中3サンプルのバクテリアがGM食品からの除草剤耐性遺伝子を非常に低いレベルで取り込んだのを確認した。『組み換え遺伝子は小腸を通過して生き残ってはいたものの大腸では完全に衰退しているようだ。」と報告に追記されている。

 ロンドンのキングス医科大学の分子遺伝学マイケル・アントニオウ上級講師は、昨夜この研究は、『私の知る限り、彼らはGM植物のDNAが腸内細菌に入り込むことをはっきり示している。これまで、この可能性は全ての人が否定してきたもので』重要だと言う。また、『実験には不適切な面も多々見られるものの、肝心な点の重要性は変わらない。この結果は、抗生物質マーカー遺伝子が腸内に拡がり抗生物質への抵抗力がなくなることを示唆している。それもたった一食という低レベルでも起こりうることを示している。』と話している。

当然懸念された出来事

 組み換え遺伝子が生態系の中でいろいろな形で影響を与えることは当然予測されていたことである。元来種の壁を越えて別の遺伝子に入り込むように設計され、また充分に制御できる段階まで開発されていない技術であるため、腸内細菌、土壌菌はもとよりさまざまな病原菌などへの移行と、その影響は計り知れないことが当初から反対者の間ではずっと問題にされていた。しかし、開発国アメリカの世界戦略に取り入れられ、近視眼的経済利益のためにどんどん商業化が進められてしまい、推進企業や研究者によって、バラ色の偽情報のみが誇大広告され、その本体である負の部分は科学的根拠がないとして全く無視されてここまで来てしまった。

推進するための結果を出すはずだった研究

 この研究は、イギリスの食品基準局がニューカッスル大学に委託したもので、本来反対者の懸念を払拭する意図があって行われたもので、その検出方法もごくごく限られた一部に絞られており、なるべく問題が出にくいように設計されていた。したがって、今回検出されたのは抗生物質耐牲遺伝子のみで、通常これとセットになっている除草剤耐性遺伝子やプロモーターであるカリフラワーモザイクウイルスなどは見られない。また、ドイツの研究者が既に明らかにしているマウスの実験で、GM遺伝子が腸壁を通って血管に入り込み内臓に定着していることや、妊娠したマウスでは胎児にまで移行していることが分かっているのに今回の調査では、そこまで行われていない。名古屋大学の河田昌東助教授は、「最近の抗生物質耐性が蔓延している状況下、家畜に使用されている抗生物質ばかりでなく、GM作物由来のものも無視できない」と懸念を表明している。この懸念は、今回の実験がたった一度の食事で、それも陽性の結果が出ないように工夫したもので出たことは、その可能性が否定できない。さらに、人や動物の遺伝子に入り込んで癌や免疫不全など取り返しのつかない影響も起こっているかもしれない。

まず禁止し、そして廃絶へ!

 現在、遺伝子工学は簡単なものは高校でも実験ができるくらい何処でもできる。しかし教育の中では、負の問題点は、検討されているのだろうか。さらに、医薬用植物がある。例えば、避妊薬やB型肝炎ワクチンを組み込んだトウモロコシというものだ。既に、除草剤耐性や殺虫遺伝子を持つトウモロコシが花粉飛散でどうしようもないほど汚染されているのに、さらに無差別に避妊薬やワクチンがばらまかれ、食品中に紛れ込もうとしている。生命体を構成する全てのもの、微生物、動植物、細胞組織にこの魔の手が及んでおり、一体何処でどのようなことが行われているのか、誰も把握していない。

 我々が知らないところでどのような研究がされ、それが野外試験まで密かに進み、企業秘密を楯に生態系の汚染が野放しにされている。こんなことは、私的で超短期的利益のために全人類の健康に生きる権利を無視するものだ。世界中で進むこの産学官の暴走をなんとしても食い止める必要がある。そして、まず、あらゆる遺伝子操作を禁止し、これまで研究されたもの全てを廃棄するための研究を始めるべきだ。そのような法制度が求められる。

 現在、廃止を含む禁止への法制化を求める大規模な反対集会を一月頃をめどに計画中である。みなさんのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

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